興信所に調査を依頼しようと決めたとき、次に気になるのは「実際どう進むのか」という点だと思います。何を準備すればよいのか、費用はいつ払うのか、契約書では何を確認すべきなのか、報告書はいつ届くのか——はじめての依頼では分からないことばかりです。
このページでは、相談から報告書の受け取りまでの流れを段階ごとに追い、それぞれの場面で依頼者が確認すべきことを具体的に整理します。あわせて、準備しておくと調査が効率化する情報のリスト、契約時のチェックポイント、トラブルを避けるための注意点もまとめました。
興信所という事業者そのものの説明や、依頼できる調査の種類については別の記事で解説しています。ここでは「依頼の実務」に絞ってご説明します。
依頼の全体像
まず全体の流れを把握しておきましょう。おおむね次の6段階で進みます。
- 相談:状況と目的を伝え、調査の必要性を整理する
- 提案・見積もり:調査プランと概算費用の提示を受ける
- 契約:重要事項の書面説明を受け、内容を確認して締結する
- 調査の実施:設定した日程で調査が行われる
- 速報:調査当日または翌日に概要の報告を受ける
- 報告書の受領:数日から1週間程度で正式な報告書が届く
相談から報告書受領までの期間は、調査が2日程度で終わる案件なら2週間前後が目安になります。急ぐ事情がある場合は、その旨を相談時に伝えてください。
段階1:相談
最初の相談が、その後の展開を大きく左右します。ここでの伝え方と確認事項を押さえておきましょう。
相談方法と費用
多くの事業者が電話やメール、専用フォームでの相談を無料で受け付けています。当事務所も相談は無料です。この段階で費用を請求される場合は、その根拠を確認してください。
伝えるべき内容
状況をできるだけ具体的に伝えてください。いつから疑いを持ったのか、どんな出来事があったのか、すでにどんな情報を持っているのか。そして最も重要なのが「何を確認したいのか」という目的です。
目的が「慰謝料請求に使える証拠が必要」なのか「事実を知って気持ちを整理したい」なのかで、必要な調査の水準と費用が変わります。曖昧なまま進めると、必要以上の調査になりがちです。
この段階で確認すること
探偵業の届出番号、所在地、依頼したい分野の経験、料金の考え方、相談内容の管理方法。これらを聞いてみてください。答え方に事業者の姿勢が表れます。
調査が不要と言われることもある
状況を伺った結果、調査より先に整理すべきことがあると判断される場合もあります。当事務所ではその場合、率直にそうお伝えします。すべての相談を契約に結びつけることが目的ではありません。
段階2:提案と見積もり
相談内容にもとづいて、調査プランと概算費用が提示されます。ここが依頼者にとってもっとも主導権を持てる場面です。
見積もりで確認すべき8項目
- 時間単価と、その単価に含まれる調査員の人数
- 想定される稼働時間と調査日数
- 最低稼働時間と、途中中止した場合の精算方法
- 車両代・機材費が基本料金に含まれるか、別途か
- 交通費などの諸経費の範囲と概算上限
- 報告書作成費が含まれるか、追加提出は有料か
- 延長が必要になった場合の単価と、事前承諾の手順
- キャンセル料の発生時期と金額
とくに時間単価が何名分なのかは必ず確認してください。1名分の単価が表示されていて、実際には2名以上必要になるという構造では、総額が想定の倍になります。
成功報酬制の場合の追加確認
成功報酬制が提示された場合は、「成功」の定義が契約書に具体的に書かれているかを確認してください。どの水準の記録を成功とみなすのかが曖昧だと、支払う金額と得られる成果が噛み合わなくなります。
相見積もりの取り方
複数の事業者から見積もりを取るのは有効ですが、比べるのは総額だけではありません。調査員の人数、想定稼働時間、諸経費の範囲、報告書の内容を同じ条件に揃えたうえで比較してください。条件が違えば金額が違うのは当然です。
段階3:契約
内容に納得できたら契約に進みます。ここには法律上のルールがあります。
重要事項の書面説明
探偵業の業務の適正化に関する法律では、契約を締結する前に、調査の内容や期間、料金、報告の方法などの重要事項を記載した書面を交付して説明することが事業者に義務づけられています。
したがって「電話だけで契約が成立した」「金額の書かれた書面を受け取っていない」という状態は正常ではありません。この説明を省こうとする事業者は、その一点で候補から外して構いません。
依頼者側が署名する確認書面
あわせて、調査結果を犯罪行為や不当な差別につながる目的で使用しないことなどを確認する書面に、依頼者が署名することになります。これも法律にもとづく手続きです。目的を正直に伝えることが、適切な調査設計にもつながります。
持ち帰って検討してよい
書面を持ち帰って一晩考えたいと伝えてみてください。信頼できる事業者であれば待ってくれます。「今日決めないと枠が埋まる」と急がせるのは、判断力を奪うための手法である可能性があります。数十万円の依頼をする前の検討時間は、当然の権利です。
支払いのタイミング
着手金を支払う前に契約内容の書面を受け取ることが原則です。書面がないまま入金を求められた場合は、いったん立ち止まって内容を確認してください。支払い方法は銀行振込やクレジットカードが一般的で、分割に応じる事業者もあります。予算に制約がある場合は相談時に率直に伝えてください。
段階4:調査の実施
契約後、設定した日程で調査が実施されます。この期間の過ごし方も結果に影響します。
依頼者が協力できること
普段どおりに振る舞ってください。急に優しくなる、逆に冷たくなる、外出予定を細かく聞くといった変化は、対象者に気づかれるきっかけになります。「いつもと同じ」を意識することが最大の協力です。
また、調査員から連絡が入ったときに応答できる状態にしておいてください。対象者の予定が変わった際、依頼者の情報で判断が変わる場面があります。
周囲に話さない
調査していることを誰にも話さないでください。家族や友人経由で情報が伝わってしまうケースは実際にあります。共有する相手は必要最小限に留めてください。
延長の判断
当日の状況によって延長が必要になる場面があります。当事務所では、依頼者の承諾なく延長して追加請求することはありません。連絡を受けた際に判断できるよう、あらかじめ「いくらまでなら延長してよいか」の目安を決めておくとスムーズです。
段階5・6:速報と報告書
調査終了後、当日または翌日に速報として概要の報告を受けます。その後、正式な報告書が届きます。
報告書に含まれる内容
調査日ごとの行動の時系列、移動経路を示した地図、人物や場所が識別できる写真、同行者がいた場合はその特徴と行動、立ち寄り先での滞在時間、そして総括です。
報告書の価値は「第三者が読んで事実の流れを追えるか」で決まります。後に弁護士へ相談する場面や話し合いの場面で、この形式が効いてきます。
報告書を受け取った後
内容について分からない点があれば説明を求めてください。また、慰謝料請求や離婚協議を検討する場合は、報告書を持って弁護士に相談するのが一般的な流れです。証拠がある状態で相談すると、方針が具体的に固まりやすくなります。
報告書は相手がアクセスできない場所に保管し、複製を別の場所に置いておくことをおすすめします。
準備しておくと調査が効率化する情報
事前情報の精度が、調査の効率と費用を大きく左右します。分かる範囲で次の情報を整理してお持ちください。
- 対象者の顔が分かる写真(複数枚あると望ましい)
- 自宅と勤務先の所在地、通勤経路と手段
- 使用している車両の車種・色・ナンバー
- 行動が不審だった日付・曜日・時間帯の記録
- よく行く店や施設
- 交友関係で気になる人物の情報
- 疑いを持ったきっかけと、これまでの経緯
- 調査の目的(何を確認したいか)
とくに「不審だった日付の記録」は価値が高い情報です。手帳やカレンダーに残したメモから規則性が見えれば、狙う日を絞り込めるため稼働時間が減り、費用も下がります。情報を持っている依頼者ほど安く済む、というのは実務上そのとおりです。
当事務所の料金
参考として、当事務所の料金体系を掲載します。追加料金が発生する条件も含め、契約前に書面でご説明します。
| 項目 | 料金(税込) |
|---|---|
| 基本調査料金 | 49,500円〜(最低稼働3時間分) |
| 通常料金(10時間) | 165,000円 |
| 車両代 | 5,500円 |
| その他経費 | 電車代・ガソリン代等の実費 |
長時間の調査には、割安なパック料金をご用意しています。
| プラン | 料金(税込) | 1時間あたり | 割引 |
|---|---|---|---|
| 10時間パック | 148,000円 | 14,800円 | 約10%オフ |
| 20時間パック | 280,000円 | 14,000円 | 約15%オフ |
| 30時間パック | 396,000円 | 13,200円 | 約20%オフ |
※報告書・証拠写真/動画の提供は料金に含まれます。ご依頼者様の同意なく追加費用が発生することはありません。延長は30分単位で対応可能です。
トラブルを避けるための注意点
調査依頼で起きやすいトラブルと、その予防策を整理します。
もっとも多いのが「見積もりより大幅に高い請求が来た」というものです。原因の多くは、延長の取り扱いと諸経費の範囲が曖昧なまま契約していることにあります。対策は、延長について事前承諾の手順を契約書に明記してもらうこと、諸経費の概算上限を示してもらうこと。この2点で想定外の請求はほぼ防げます。
次に多いのが「報告書の内容が期待と違った」というものです。これは事前にサンプルを確認していないことが原因です。依頼前に見本を見せてもらい、日時の記録や経路の地図、画質を確認しておいてください。
そして、極端に安い広告料金には注意が必要です。表示されている価格が総額に近いのか、一部の単価なのかを最初に確かめてください。
依頼を迷っている段階でできること
「まだ依頼するか決めていない」という段階の方も多くいらっしゃいます。その場合にできることを整理します。
記録をつけ始める
依頼するかどうかを決める前に、記録をつけ始めてください。帰宅時刻、外泊した日、急に予定が変わった日、説明された行き先とそのときの服装。1週間では見えないものが、1ヶ月続けると見えてきます。この記録は、依頼する場合には調査設計の材料になり、依頼しない場合でも状況の整理に役立ちます。
相手を問い詰めない
確証がない段階で問い詰めると、対象者が警戒して行動を変えます。その後に調査を依頼しても、通常より多くの日数が必要になり費用が膨らみます。順番は「先に事実、後に話し合い」です。
目的を考えてみる
事実が分かったとき、自分はどうしたいのか。離婚を考えるのか、関係を続けたいのか、まだ決められないのか。決められなくても構いませんが、選択肢を意識しておくと、必要な調査の水準が見えてきます。慰謝料請求を視野に入れるなら証拠の水準が求められますが、事実確認だけであれば行動記録で足りる場合もあります。
期限を意識する
悩み続けているうちに時間が過ぎるのは、よくあることです。ただし、不貞行為に対する慰謝料請求は損害および加害者を知った時から3年で時効にかかると一般に理解されています。また、相手の警戒が緩んでいる時期の方が調査は成功しやすくなります。無期限に先延ばしすることが有利に働くわけではない、という点は意識しておいてください。
ご相談・お見積もり
当事務所は探偵業届出済(探偵業届出 第45230061号)の探偵事務所です。全国対応で、ご相談は無料です。「何から始めればよいか分からない」という段階のご相談でも構いません。状況を伺ったうえで、必要な調査の範囲と概算費用をお伝えします。
ご相談内容や個人情報は厳重に管理し、ご本人の同意なく第三者に開示することはありません。
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よくある質問(FAQ)
相談から報告書受領までどのくらいかかりますか?
調査が2日程度で終わる案件であれば、相談から報告書受領まで2週間前後が目安です。調査終了後、報告書の作成に数日から1週間程度かかります。急ぐ事情がある場合は相談時にお伝えください。
相談は無料ですか?何を話せばよいですか?
当事務所の相談は無料です。いつから疑いを持ったのか、どんな出来事があったのか、すでにどんな情報をお持ちかを具体的にお伝えください。そして「何を確認したいのか」という目的が最も重要です。
見積もりで確認すべきことは何ですか?
時間単価に含まれる調査員の人数、想定稼働時間、最低稼働時間と中止時の精算、車両代や諸経費の扱い、報告書作成費、延長時の単価と事前承諾の手順、キャンセル料の発生時期です。とくに単価が何名分かは必ず確認してください。
契約前に書面はもらえるのですか?
探偵業法により、契約締結前に調査内容・期間・料金・報告方法などの重要事項を記載した書面を交付して説明することが義務づけられています。書面がないまま契約や入金が進む状況は正常ではありません。
契約書を持ち帰って検討できますか?
可能です。当事務所ではお持ち帰りいただいてのご検討を歓迎しています。逆に当日の契約を強く迫る事業者は慎重に判断してください。数十万円の依頼をする前の検討時間は当然の権利です。
調査中に依頼者が気をつけることはありますか?
普段どおりに振る舞うことが最も重要です。態度の変化は対象者に気づかれるきっかけになります。また調査員からの連絡に応答できる状態にしておき、調査していることを周囲に話さないようにしてください。
何を準備しておけばよいですか?
対象者の顔写真、自宅と勤務先の所在地、通勤経路、使用車両の車種と色とナンバー、不審だった日付や曜日の記録、よく行く店、そして調査の目的です。とくに日付の記録は狙う日を絞り込めるため費用の削減につながります。
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まとめ
興信所への依頼は、相談・提案と見積もり・契約・調査の実施・速報・報告書の受領という6段階で進みます。相談から報告書受領までは、2日程度の調査であれば2週間前後が目安です。
依頼者がもっとも主導権を持てるのは「見積もりの提示から契約まで」の段階です。時間単価が何名分か、諸経費の範囲、延長時の手順、キャンセル料の条件を書面で確認し、必要なら持ち帰って検討してください。
そして、事前情報の整理が費用を左右します。対象者の勤務先や通勤経路、使用車両、不審だった日付の記録があるほど、狙う日を絞り込めて稼働時間が減ります。何から始めればよいか分からない段階でも構いませんので、無料相談でお気軽にご相談ください。

